メンタル

第5章.メンタル


<目次>

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・情動の把握

投資家が経験する様々な感情

 

・感情のコントロール

感情を認識して制御すること

 

・リスク管理

リスク管理とメンタルの関係



情動の把握


 

 

「勝てない投資家は、相場分析よりも自己析が足りていない」

 

 

「人間本来の自然な感情は、トレード成績を低下させる」

 

 

「感情の起伏の激しさは、自分の全ての優位性を無効化する」

 

 

「投資のリターンは、投資家自身がエキサイティングした分だけ目減りする」

 

 

「投資は『分かっているが、上手く動けない』との戦いだ」

 

 

「自然な感情の流れに従うことは、売買ルールに従わないことを意味する」

 

 

「相場を動かす群集心理の正体は、複雑な文学的感情ではなく、自分だけは助かりたいという単純なエゴである」★

 

 

「相場の世界では、熱狂は資産を溶かす狂気である」

 

 

「『この暴落は永遠に続く』と恐怖の中で錯覚した投資家から順番に、マーケットを去る」

 

 

「株価チャートは、警戒と油断の反復によって生成される」

 

 

「思いつきのトレードは、その一回はたとえ上手くいっても、一切の再現性がない」

 

 

「優位性のあるポイントでエントリーした場合でも、過剰なポジションを構築すると、精神的な優位性が低下して大敗する」★

 

 

「感情任せで根拠の薄い取引は、もれなくギャンブルである」★

 

 

「祈るような気持ちで保有しているポジションは、いずれ大きな火種になると考えた方がいい」

 

 

「間違っても、『明日は上がって欲しい』なんて貧弱なセリフを口走ってはならない」

 

 

「相場に対する大いなる期待は、大いなる失望に変わる」

 

 

「ポジションに強い思い入れがあると、相場での戦いを自分との戦いだと錯覚する」

 

 

「相場に自分の願いを投影すると、それを叶える相場の材料やシグナルばかりを無意識に追うようになる」

 

 

「違和感が少しでもあるポジションは、即座に切ることだ」

 

 

「高値掴みは、焦燥によって高いものが安く見えるという錯誤を発端とする」

 

 

「投資家が毎日必ず襲われる感情は、買い遅れることに対する焦りと不安である」

 

 

「相場も恋愛と同様、焦って追いかけるほど逃げていく」

 

 

「含み益は不安を、含み損は恐怖を呼び込む」

 

 

「不安を感じると人は株を手放し、恐怖を感じると逆に握った手を硬直させがちだ」

 

 

「堂々と大きく張ったポジションに対しては、ホールド力も自ずと強くなる」

 

 

「必死に握りしめないとホールドできないような株は、そもそも手放したほうがいい」

 

 

「株を保有するときは、握力を使わず、手のひらに乗せる感覚で持つべきだ」

 

 

「堂々と張ったポジションでければ、堂々と成り行きを眺めることはできない」

 

 

「皆と同じ事を考え、同じ行動を選択すると安心感を覚えるが、実はそれが誤りの源である」

 

 

「含み損が一定の額を超えると、『もうどうでもいい』という一種の感覚麻痺に陥る」

 

 

「とんでもない含み損を抱えた投資家が、意外と冷静で生き生きとしている様子をよく見かける」

 

 

「日々の相場変動に動じないのは、一喜一憂することに飽きているだけのことだ」

 

 

「損切りは一見すると自己否定のようだが、事前に戦略を立ててその通りに実行できた場合は、自己肯定に繋がる」★

#損切りとは、自分の間違いを認めること(自己否定)のように思われがちですが、損切りの条件をエントリー前に十分考えてその通りに実行できれば、正しい行動をとれたというという自信に繋がります。

 

 

「投資の知識や経験が浅いほど、感情を揺さぶる激しいボラティリティに魅了されて大損しやすい」

 

 

「最後の最後でメンタルを支えるものは、知識力である」

 

 

「『月曜日のマーケットが待ち遠しい』と金曜日の夕方に考えてしまう人は、トレード依存症に陥っている」

 

 

「大損して落ち込むより、大勝ちして調子に乗る方が、将来的には深刻な事態を招く」

 

 

「一回の傲慢な取引が、長年積み上げた利益を一瞬で溶かす」

 

 

「最速で億り人を目指す投資家の大半は、その無鉄砲な性格によって、最速で無一文になってしまう」

 

 

「胃に穴が空くような無茶なトレードは、思考と精神にまで穴を空ける」

 

 

「自分の器を知り、その器の範囲内でのみ勝負を続ける投資家だけが生き残る」

 

 

「弱気相場で不安に駆られ、雑多な情報をやみくもに読み漁ると、投資の軸が悪い方へブレていく」

 

 

「上昇相場における強欲は、下落相場における恐怖と同様、一種の心理的パニックだと考えた方がいい」

 

 

「微細な相場現象に心を奪われることは、大きな相場の本質を見失うことを意味する」

 

 

「短期投資にのめりこむと、あれこれと調べ物が多くなり、慢性的な情報過多によって頭が混乱状態に陥る」★

 

 



感情のコントロール


 

 

「投資の甘い罠を仕掛ける犯人は、いつも自分自身であることを忘れてはならない」

 

 

「投資能力とは、感覚的には、感情をコントロールする能力そのもののように思われる」

 

 

「素晴らしい売買戦略には、感情の付け入る隙がない」★

 

 

「心にゆとりを持つことが、利益を積み上げるための第一条件である」

 

 

「投資のプロになるためには、自分の情動をコントロールするプロにならなければならない」

 

 

「冷静沈着な投資は、自分が心地良いと思えるロットの範囲内でなければ実現できない」

 

 

「仏のように穏やかな気持ちで相場と対峙することは大切だが、損切りする瞬間だけは、心を鬼にしなければならない」★

 

 

「相場の波に乗り遅れた時こそ、焦らずに待て」

 

 

「投資初心者が相場の動きに一喜一憂するのは当然で、投資上級者がそうならないのは、相場の動きに単に飽きているからだ」

 

 

「今日の損失を明日取り返そうと意気込んだ瞬間、明日の勝機は他の投資家のもとへ逃げている」

 

 

相場が暴落しても、投資に対するマインドを暴落させてはならない

 

 

「『皆が恐れているときに強欲になれ』というバフェットの教えは感覚的には正しいが、本当は、いついかなる時もフラットな気持ちでいなければならない」

 

 

「皆が楽観している時も、皆が悲観している時も、自分だけは達観していなければならない」

 

 

「人間の感情を数値化することはできないから、『皆が悲観している時に買う』という投資哲学は、曖昧で意外と役に立たない」

 

 

「平静こそが、投資家の品格である」

 

 

「血の気の多い戦士より、思慮深い僧侶の方が、トレーダーに向いている」

 

 

「取引に必要な最初の手順は、投資情報へのアプローチではなく、自分自身へのカウンセリングである」

 

 

「大きく相場が暴落した時に、自分の心理状態を何かに記録すれば、狼狽売りなどの心理的リスクを軽減できる」

 

 

「やるせない相場が続く時は、マネーゲームより何気ない日常生活に意識を向けて気分転換を図ったほうがいい」

 

 

「投資家は、労働者のように汗を流す必要はないが、心の血を流す覚悟を固めなければならない」★

 

 

「投資のリターンは、企業活動の賜物というよりは、投資家の執念深い反省と改善に支払われる報酬である」

 

 

「投資技術の向上に必要な態度を順にあげれば、一に反省、二に反省、三、四がなくて、五に反省だ」★

 

 

「相場の波に上手く乗れた時こそ、調子に乗らず、自分の危うい本性を抑制しなければならない」

 

 

「盛りだくさんの投資情報を毎日追い回すより、程々の知識量で頭をシンプルに整理しておく方が強い」★

 

 

「情報過多に陥ると、思考から鋭さが消えて情緒が不安定になり、相場をありのままに見れなくなる」

 

 

「投資情報は、売買戦略の道筋をクリアにするための道具にすぎないから、思考が混乱するほど脳に詰め込んではいけない」

 

 

「情報をたえず収集しないと不安になる状態は、投資家として健全とは言えない」

 

 

「『今週は重要な週だ』と毎週騒いでいる情報発信者に耳を貸してはいけない」

 

 

「稼げる投資家になろうとして、経済に関する様々な情報を読み漁ると、いつの間にか稼げない評論家になっている」★

 

 

「利益に直結しない情報源を順に断っていくと、ほとんどの情報は自分の投資に必要なかったことに気づく」★

 

 

「相場も株式ニュースも見ない怠惰なインデックス投資家は、抜群に優秀である」★

 

 

「ファンダメンタルズ分析だけが、長期投資の不安や恐怖を打ち消す根拠になる」★

 

 

「トレードノートに、その日の相場の様子や銘柄分析、反省文を書き連ねても、投資技術は一ミリも伸びない」

 

 

「トレードノートに記録することは、『自分の精神状態』、『今日新たに発見した優位性(仮説)』、『かつて発見した優位性のポイントで今日エントリーできたか』の三点だけでいい」

 

 



リスク管理


 

 

「リスク管理の第一歩は、自分の欲望を認識し、それを制御することにある」

 

 

「リスクという言葉には、『危険性』という意味と、『価格がどの程度大きく変動するか(ボラティリティ)』という意味の二つがある」

#『ボラティリティ』の観点では、ハイリターンであれば必ずハイリスクになります(単に値動きが激しい投資商品という意味です)。『危険性』の観点では、当然ローリスクな方がハイリターンになりやすいです。どちらの意味で使用されているのか常に意識する必要があります。

 

 

「リスクをコントロールするのが投資、リスクに身を委ねるのがギャンブルである」

 

 

「リスク許容度を超えた取引を行っている投資家は、その時点ですでに正気ではない」

#リスク許容度とは、「投資元本がどれくらいマイナスになっても生活に影響がないか」「どれくらいのマイナスまでなら精神的に耐えられるか」という度合いです。

 

 

「凄腕トレーダーを尊敬しても、その遠すぎる背中を安易に追いかけてはならない」

 

 

「投資の天才とは、リスクを回避する天才のことだ」

 

 

「自分のリスク許容度は正確に把握できないから、ポジションを取る際は十分なゆとりが求められる」

 

 

「『ネオモバ』などの少額投資は、自分のリスク許容度を超える可能性がほとんどない点に強みがある」

 

 

「単元投資のメリットは、『ネオモバ』などの少額投資より、慎重に投資判断を行うことにある」

#買付額が大きいほど、銘柄の選別や買付条件が自然に厳しくなり、取引の精度が上がる傾向にあります。

 

 

「投資の最適解とは、リスク管理の最適化に他ならない」★

 

 

 

「リスク管理ができない人の投資の最適解は、現金をそのまま現金として保有しておくことだ」★

 

 

「肩書きなどの社会的信用は、無形の優良資産であり、リスク許容度を大きくする」

 

 

「リターンに心を奪われて、リスクに対する意識が薄れるほど、日々の相場変動に一喜一憂してしまう」

 

 

「危険なギャンブル取引の本質は、大金をわざわざ支払って、自分を破滅へ導く愚かさにある」

 

 

「ハイリスクな投資は、家族を巻き添えにしかねない時点で、そもそも人の道を外れている」

 

 

「愛する人の顔を思い浮かべることが、危険なギャンブル取引に手を染めない何よりの予防策になる」

 

 

「宝くじを馬鹿にする投資家の多くは、宝くじよりひどいギャンブル取引に明け暮れている」

 

 

「『投資はギャンブル』という世間の認識は、実際の投資家達の行動に照らし合わせれば、あながち間違いではない」

 

 

「投資のメンタルは、それ自体を鍛える術はなく、リスクを正しく認識する過程で自然に強化される」

 

 

『S&P500を二十積み立てても損するかもしれない』といった根拠の乏しいリスク認識は、妄想に近い」

 

 

「投資に絶対がないことは、人生に絶対がないのと同じくらい当前のこととして認識する必要がある」

 

 

「気に掛かるリスクが一つでもある銘柄を妥協して購入した所で、大したリターンには繋がらない」

 

 

「リスクヘッジの基本は相場に参加しないことであり、ベア型ETF等の取引は新たなリスクを招く恐れがある」

 

 

「積立投資の資産分散・時間分散・長期保有は、それ自体がリスクヘッジとして上手く機能している」

#三井住友銀行のHP「リスクヘッジとは?」で詳しく説明されています。

https://www.smbc.co.jp/kojin/toushin/gimon/start04/

 

 

「リスクを大きく取ることが許されるのは、優位性のある投資スタイルが固まった後だ」